【備忘録】わたしのすきなひと

※別に特定の誰かへのラブレターではないです。強いて言うなら妄想に近い。

 

私の好きな人は、優しい。私だけに優しいわけではなく、誰にでも優しいところが、好きだし、でもちょっと嫌になる時もある。私が何をしていても大抵は隣で笑っている。一見興味のない顔で笑っているけれど、私を見てくれていると知ってからは、好きな笑顔になった。

私の汚い部分を受け入れてくれる。だけど、一緒に汚れることはしない。そこが好き。白すぎて眩しいくらいの正義ではないけれど、私を守ってくれることはなさそうだけれど。正義のヒーローとか、白馬の王子様とかはきっと私には眩しすぎて無理なので、貴方くらいがちょうどいい。

 

私の好きな人は、現実主義だ。いつも何かを諦めていて、寂しそうな目をしている。将来に希望なんてなくて、それでも信仰に溺れたり、虚構を愛したりしない人。

私は弱い人間なので、すぐに何かに縋ろうとしてしまう。でも貴方は、私を連れ戻そうとなんてしてくれない。私がなにかに傾倒しても否定してくれないのだろうか、そんなところでさえ愛おしい。あるいは、私は貴方に傾倒して心酔して依存しているのだろう。でも、私の好きな人はきっと、私のなかになにかを残してはくれない。私が貴方と全く関係のない場所で幸せを築いて、笑っているほうが都合がいいのかしら、と思う。

 

私の好きな人は、信念を持っている。それがくだらないものでも、高貴なものでも、価値に大差なんてない。なにかを人より知っていて、なにかを人より知りたがっている。私の知らない世界を、別に教えてはくれないけれど、みせてくれる。

たまにどこか遠くを見ていて、その時は私のことは見ていない。さみしいけれど、そんなところも好き。貴方が私よりずっと大人びているものだから、科学と哲学は繋がっていると思う。

 

私の好きな人は、かわいい。理由はない。あるとしたら、遺伝子が求めているのだろう。